要介護4の自宅介護が無理だと感じる5つの問題点!そして、介護を継続する方法とは?

老人が二人立っている横に、介護と書いたプレートが置いてある

 要介護4の方を自宅で介護しようと思うと、沢山のサポートが必要になります。また、介護者の負担が限界に達した時は、自宅介護の継続は難しくなり、施設入所も視野に入ってくるでしょう。しかし、自宅での介護を継続する方法もあります。今回の記事では、要介護4の特徴や、自宅介護を無理と感じる原因と対策方法を紹介していきます。自宅介護と施設を悩んでいる方や、限界を感じている方は、参考にしてください。

要介護4とは?3つの特徴を知る!

 まずは、要介護4の特徴を知っておきましょう。

3つの特徴
  • 日常生活のほとんどに、介護が必要になる
  • 自宅で介護するのであれば、サービスの活用が必須
  • 1人での生活は難しいので、24時間体制の介護が必要になる

 
 要介護4は、介護保険制度の介護度のレベルの一つで、4番目に高い介護が必要な状態を指します。また、要介護4は、日常生活のほとんどの面で介護が必要であり、自立が難しい状況です。では、実際にどんな問題点があるのかを話していきます。

要介護4の方の自宅介護で、何が問題になるのか

 大きく分けて、5つの問題点があります。以下に細かく説明していきます。

5つの問題点
  • 介護負担が大きい
  • 専門的な介護スキルが必要になる
  • 安全性の確保が難しい
  • 十分なサポートをする事が難しい
  • 介護にかかる費用が高額になりやすい

介護の負担が大きい

 生活全般に介護が必要なために、家族は24時間体制で介護が求められる事があります。また、食事・排泄・入浴の介護のほかにも、夜間の安全確認や体交が必要な時もあります。そのため、介護者の睡眠時間が減ったり、介護による、身体的・精神的な負担が大きくなります。

専門的な介護スキルが必要になる

 要介護4の方は、特定の医療処置(褥瘡治療や吸痰など)やケアが必要な時が多いです。そのため、家族だけでは十分に対応が難しい時があります。そのため、病院などで処置の方法を指導してもらう家族もいますが、やはりプロが行う時とは違います。適切な処置が出来ずに、病状が悪化し、入退院を繰り返す人もいます。

安全性の確保が難しい

 介護度が上がると、転倒や誤嚥のリスクが高くなることが多いです。そのため、自宅での安全性の確保のために、住環境の整備や介護用具の導入が必要になります。また、それだけ十分に確保出来ない場合は、家族の直接的な介入(見守りなど)が必要となり、時間的な制約が出てくるため、仕事などにも影響が出てくる事があります。

十分なサポートをする事が難しい

 介護度4の方は、自立した生活が難しいため、家族のサポートが必須になります。しかし、家族にも仕事や生活があるため、必要なサポートが十分に行えない事もあります。また、遠方に住んでいる方の介助をする場合にも、同様の事が起きます。

介護にかかる費用が高額になりやすい

 自宅での介護を継続するためには、介護サービスの利用や介護用品のレンタルなどにお金が掛かります。また、要介護度が高い方は、必然的に必要なサービスなどが増える事が多いため、費用も高額になりやすいです。

これらの問題が重なり合う事で、自宅介護が難しくなる時があります。

要介護4の方を自宅で介護するための方法とは?

 これまでに、要介護4の方の特徴や問題点を話してきました。しかし、それでも自宅で介護を継続している方も多くいます。ここでは、その方法や工夫の話をしていきます。

しっかりとした、介護計画を決める

 まずは、ケアマネージャーと一緒に、本人のニーズにあった介護計画を立てます。必要な介護サービスや介護用品、生活のサポート方法などを決めていきます。しっかりと計画する事で、家族の介護負担の軽減、本人の生活の質の向上につながります。また、無駄を省くことで、介護費用の削減にもつながります。

介護サービスの利用

 ケアマネージャーと介護計画を立てる際には、必要な介護サービスも考えておきましょう。ニーズによって、選択する介護サービスは変わってきます。例えば、訪問看護サービスであれば、家族が難しい医療処置を代行してくれますし、デイサービスやショートステイを利用する事で、家族は介護から離れる時間を作る事が出来ます。どんな内容のサービスがあるのかを理解し、適切な内容のサービスを利用しましょう。

訪問介護(ヘルパー)サービス

 訪問介護は、専門の介護スタッフが自宅を訪問し、身体介護や生活援助を行うサービスです。入浴や食事の準備、排泄の介助、移動のサポートなどが含まれます。

訪問看護サービス

 訪問看護は、看護師が自宅を訪問し、医療処置や健康管理のサポートを行うサービスです。薬の管理や注射、バイタルサインのチェック、リハビリテーション指導などが含まれます。

デイサービス

 デイサービスは、利用者が一定時間施設を利用して、リハビリテーションやレクリエーション活動、食事や入浴などのサポートを受けるサービスです。家族介護者の負担軽減や利用者の社会参加を促す目的で利用されます。

ショートステイ

 ショートステイは、一時的に介護施設に入所し、必要なケアを受けるサービスです。家族が休暇や病気で介護ができない場合や、家族介護者の負担軽減を目的として利用されます。

居宅リハビリテーション

 自宅でリハビリテーションを受けることができるサービスです。理学療法士や作業療法士が訪問し、運動機能の改善や生活動作のサポートを行います。

安全な住環境の整備(住宅改修)

 在宅での転倒や事故を未然に防ぐために、住環境の整備は重要です。必要な場所に、手すりを設置したり、車いすでの移動を考え、段差の解消や狭い通路を改善する事が出来ます。こうして、介護しやすい環境を作ることは、介護負担の軽減にも繋がります。

福祉用具の使用

 必要な全てを住宅改修する必要はありません。例えば、設置型の手すりやスロープなどをレンタルする事で、住宅改修する費用を削減することが出来ます。また、一度改修してしまうと、必要なくなった時や家族が使用する時に使いにくい場合もあります。福祉用具は、必要に応じて使用する事が出来るため、柔軟な対応が出来ます。

介護用品のレンタル・購入

 本人の状態に合わせて、車いすやベッドなどをレンタルor購入しましょう。購入金額を考えると、基本的には、レンタルの方がコスパは良いと思います。また、介護用品を事で、介護負担が大きく軽減出来ます。

介護技術や知識を身につける

 家族の方と話をしていると、自己流で介護する人が多くいます。自己流でも上手くしている方は良いのですが、無理な体勢や間違った方法は、腰痛などを引き起こします。また、乗り移りの介護であれば、転倒や転落のリスクが高くなりますし、食事介助であれば、窒息や誤嚥のリスクが高くなります。自己流でしている方は、専門のスタッフに相談し、介護技術や知識を身につけましょう。

色々な方法を説明しましたが、まずは専門スタッフに相談です。やはり、もちはもち屋です。色々な経験もしていますし、知識もあります。無理だと感じる前に、しっかりと相談しましょう。

自宅介護だけが正解ではない!

 今回の記事では、要介護4の方を自宅で介護する時の問題点、また、介護を継続するための方法を説明しました。しかし、自宅で介護する事だけが正解ではありません。施設に入所する事で、本人も家族も幸せになれる事もあります。大事なことは、無理をせずに状況に合わせた対応をする事だと思っています。これの記事を読んでくれた方の負担や不安が、少しでも軽くなるとうれしいです。

最後に、この記事を読んでいただき、ありがとうございました。

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