在宅介護における食事介助の不安を解消!注意点から対策まで教えます!

在宅での食事介助をしている様子
この記事のポイント
  • 在宅での食事介助の方法がわかる
  • 食事介助の注意点や対策を解説
  • 初心者の家族でも分かりやすい内容

食事介助は、他の介助に比べても、ムセ(誤嚥)や窒息などの危険を伴う介助であるため、しっかりとした知識を身に着ける必要があります。

もし、在宅での食事介助について、不安を感じていたり、上手く出来ずに悩んでいる家族が居たら、この記事を読んでみてください。

「食事介助の準備」「食事介助」「食事後のケア」の3つのステップに分け、詳しく解説してあります。これを読めば、明日からの食事介助が、きっと変わるはずです!

ステップ1「食事介助の準備」は、情報収集が大事!

しっかりとした準備を行うには、情報収集が大事です。

しかし、専門スタッフや主治医の先生に、いったい何を聞けば良いのか分からない人も多いでしょう。そんな人達は、以下に書いてある事を参考に情報収集を始めてください。

本人の状態にあった、食事形態で作る

高齢になると、病気や加齢により、噛んだり・飲み込んだりする力が低下してきます。

そのため、その人の力に合わせた食事の形態を考える必要があります。

また、水分でムセてしまう方には、トロミを付ける必要もあります。これらが上手く出来ていないと、窒息やムセ(誤嚥)の原因になります。

しかも、ムセ(誤嚥)は、誤嚥性肺炎の原因にもなります。


そのため、主治医の先生や専門スタッフに相談し、その方にあった食事形態を確認することが大事です。

栄養バランスを気にするだけではダメ!

在宅での食事は、本人の好みや、栄養バランスだけを考えて作っていてもだめです。高齢になると、持病があったり、色々な種類の服薬をされている方がいます。


病気には、控えた方が良い食材や禁忌の食べ物もあります。


薬も同様で、食べる物により、効果が弱くなったり、逆に効果が強くなり過ぎるものがあります。

主治医の先生に、本人の病気や服薬状況から、食べるものに対する注意点をしっかりと確認しておきましょう。

食事介助に必要な道具を準備しよう

全部介助するのか、一部を本人に食べてもらうのかでも、必要な道具は変わってきます。

全部介助するのであれば、介助しやすいように、柄の長いスプーンや食べこぼしで汚れないように、エプロンがあると便利です。本人に食べてもらうのであれば、自助具や自助食器など、

本人の状態に合わせた道具を準備する必要があります。

しかし、専門的な知識がない家族が、全てを考えて選ぶ事は事は難しいと思います。そういった時は、専門スタッフに相談しましょう。

相談する専門スタッフに心当たりがない場合は、主治医や病院のリハビリスタッフ、本人のケアマネージャーに相談すると良いでしょう。

姿勢が悪いと、窒息やムセ(誤嚥)の原因になる

食事中の姿勢は、本当に重要です。


本人の体に合っていない机や椅子を使用していると、姿勢が崩れやすくなり、窒息やムセ(誤嚥)の可能性を高くします。

少し手間かもしれませんが、本人に合った机や椅子を準備しましょう。

机の高さであれば、両手を載せた時に、肘が90度に曲がる程度

椅子の高さは、足底がしっかりと床について、膝が約90度曲がる程度

しかし、適正な高さの椅子を選んでいても、筋力の低下や認知症により、姿勢が保てず傾いてしま人もいます。

そういう時は、クッションや介護用品を使って、姿勢が保持できるような対策をしましょう。

姿勢を保つための道具を知りたい方は・・・

服薬は、タイミングがとても大事!

服薬のタイミングは、食前後が指定されている事が多いですが、そこまでタイミングに気を使っている方も少ないかもしれません。

しかし、薬の種類によっては非常に大事になります。例えば、糖尿病の薬の中には、食直前に服薬しないと、低血糖を起こす可能性もあります。

そのため、服薬のタイミングをしっかりと把握しておくことが大事です。

食事前には、トイレを先にすませておく

認知症があると食事中に尿便意を感じる事で、食事に集中出来なくなります。

集中出来ないと、食事を食べなくなったり、注意散漫になりムセ(誤嚥)の原因になる事があります。

そのため、食事前にトイレを済ませておきましょう。

ステップ2「食事介助」は、観察が大事!

食事介助が始まれば、観察が重要です。ここでは、観察のポイントに注目して説明します。

介助をする時は、本人の表情と口の中が見える場所に座る

自分と相手の位置関係も、介助する時に大事なポイントです。

介助者は、食べてる人の表情と口の中が見える場所に座りましょう。

理由としては、表情を見る事で、窒息などの発見が早く出来るし、覚醒状態の評価も可能です。

また、口の中が見える事で介助のペースや本人が食べるペースを調整する事も出来ます。

介助者の負担や、本人の注意障害の有無(専門的な話なので、ここでは詳しくは説明しませんね)なども考える必要がありますが、あくまで上記を守った上での話だと思います。

早食いや詰め込み過ぎは、ムセ(誤嚥)の原因になる

昔からの食べ方の癖で、早食いの方をよく見かけます。また、認知症の方も食べるペースが守れずに早食いになったり、飲み込む前にどんどん口に入れてしまう人がいます。

これらは、ムセ(誤嚥)や窒息の原因になるので、必ず対策する必要があります。

そのため介助している時は、必ず口の中に何も無い事を確認してから、次の一口を介助しましょう。

自分で食べれる人で、食事のペースが守らない時は、「見守りしながら声掛けする」「小さいスプーンを使用して一口量を減らす」「小皿に分けて提供する」などの対策も考える必要があります。

基本的には、水分の多いものから食べる

健康な人でも同じですが、口の中が潤っていない状態で、いきなり水分の少ない食べ物を入れたら、食べにくいと感じると思います。

飲み込む力が弱い高齢者では、なおさらムセ(誤嚥)や窒息の可能性を高くします。

最初は、水分の多いもので口の中を潤してから食事を始めると良いと思います。

また、食事中も水分の多いものと少ないものを交互に提供する事もテクニックの1つです。

ただ、食事形態の所でも書きましたが、水分でムセてしまう人にはトロミを付けるなどの対策が必要になります。

表情をみて、覚醒状態を常に確認しよう

高齢者や認知症のある人は、睡眠状況や病気などにより、食事中でも覚醒状態が悪くなる時があります。

そのまま、食事をすすめるとムセ(誤嚥)や窒息の可能性が高くなります。

もし、反応が鈍くなってきたと思ったら、口が空になった時に声掛けをして、覚醒状態を確認してみましょう。

ボーっとしていたり、眠そうな表情が見られたら、一度食事介助を中止しましょう。

食事中も姿勢が崩れたら直しましょう

食事前に姿勢を正しても、時間の経過とともにくずれてしまう人が居ます。

そのままの状態では、自分で食べても、介助で食べても、ムセ(誤嚥)や窒息の可能性が高くなります。

面倒と思っても、必ず良い姿勢に直しましょう。

ステップ3 「食事後のケア」で肺炎も予防できる!

食事介助は、食べ終わった後も大事です。

肺炎を予防するための口腔ケアや、本人の様子から、今後の食事形態の検討も必要になるかもしれません。以下に詳しく説明していきます。

その人にあった、口腔ケアを行う

食後の口腔ケアを行わないと、誤嚥性肺炎や口腔内の感染症の原因になります。

そのためにも、義歯を外して洗浄する事や、口の中の残渣物が無くなるまで、うがいを行う事が大事です。もちろん、自分で出来ない方は介助が必要です。

また、認知症の方であれば、声掛けなどの促しが必要になることもあります。

うがいの水でムセてしまったり、飲み込んでしまう人は、マウススポンジなどの道具を利用して介助で行いましょう。

また、食事以外は義歯を外して過ごす方もいますが、未装着の時間が長いと歯茎が痩せてしまい、義歯が合わくなる事があります。

何か問題が無ければ、就寝している時以外は、義歯を装着していると良いと思います。

食後の状態を観察する

食事後に、ムセやゴロツキが見られる人もいます。これは、食事形態が本人に合っていない事が考えられます。

何度も続くようであれば、専門スタッフや病院で相談して、食事形態の変更を検討しましょう。

放置しておくと、誤嚥性肺炎の原因になります。

また、高齢になると消化するまでの時間が長くかかります。すぐに横になりたがる人もいますが、逆流性食道炎の原因にもなるので、体調が悪くなければ食事後30分程度は、起きて過ごすことも大事です。

知識を身につけ、安全な食事介助を行おう

この記事では、食事介助に慣れていない家族に向けて、「食事介助の準備」「食事介助」「食事後のケア」の3つのステップに分けて、具体的内容で説明してきました。

食事介助は、在宅介助でも負担の大きくなりやすい項目であり、ムセ(誤嚥)や窒息などの重大事故につながります。

しかし、しっかりとした知識を持って介助すれば、予防する事が出来ます。そのためにも、専門スタッフなどに相談しながら、安全な食事介助を行いましょう。

最期まで読んで頂き、ありがとうございました。

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