排泄の介助は、在宅介護の中でも介護負担の増大しやすいケアの1つです。オムツ交換やトイレでの動作の介助だけではなく、人によっては何度もトイレに行く事で介護負担が増えたり、本人がオムツを外してしまう事で衣類やベッドシーツが汚染したりします。それらの対策や介助をする事で精神的・肉体的介護負担が増えます。この記事では、その2つに着目し、自分の施設ではどんな対応をしているのかを書いていきます。
何度もトイレに行く人への「5つの対策」
認知症高齢者によく見られるのが、トイレが頻回な方です。早い人であれば、数分に1回トイレに行きます。もちろん、毎回排尿があるわけもないのですが、本人は尿意を感じているため、大丈夫と言っても落ち着きません。そこで、色々な側面から対策していきます。
対策① 安全にトイレ動作が出来る様にする
数分に1回行くトイレを毎回介助する事は、物理的に不可能だと思います。そこで、いくことは仕方ないと諦め、安全に行ける環境を作ります。トイレまでの導線が長いのであれば、ポータブルトイレをベッドサイドに置いたりするのも良いと思います。手すり等を設置して、トイレ環境を整える事も大事でしょう。なるべくトイレでの転倒リスクを減らし、一人で安全に排泄が出来る環境を作ります。
対策② 違う事に注意を向ける
何かに集中していると、その間はトイレに行かなくて済む方もいます。時間がかかるような細かい塗り絵を提供したり、好きなTVを見てもらう事なども良いと思います。本人がトイレ以外に夢中になれる事を見つけてみましょう
対策③ オムツにしてみる
今のオムツは性能が良く、少しの失禁では本人も気づかない程の吸収性や肌ざわりの物があります。不快感を感じる事でトイレに行きたがる方もいます。特に夜間は、不快感で目が覚め頻回なトイレが始まってしまう方もいるので、オムツに変更する事で朝まで良眠出来る事もあります。
対策④ 水分摂取量を調整してみる
1日の水分摂取量は大事であり、高齢になるとトイレに行きたくないからという理由で、減らしてしまう方もいます。極端な制限は、逆に問題になりますが利尿作用のあるコーヒーなどを避ける事や、寝る前に飲む量を減らすなどの調整をすると良い時もあります。
対策⑤ 病院に相談してみる
高齢になると、高血圧に対しての服薬をされている方も居ると思います。薬の効果として、血圧を下げるために、利尿作用がある物も多いです。それが原因で頻尿になる方もいますので、主治医にしっかりと状態を説明し、服薬の調整を相談する事も良いと思います。また、頻尿が症状として現れる病気もあります。頻尿である事を説明し、一度診察を受ける事も良いと思います。
オムツを外す人の「2つの対策」
オムツを触ってしまい、衣類や寝具が汚染してしまう方がいます。そうする事で、家族や介護者の負担を一気に増えてしまいます。本人の衛生面でも良くありませんので、対策が必要になります。
対策① 不快感を取り除く
認知症があると、不快感を感じることでオムツを破ってしまったり、手で触ったりする事があります。定期的にオムツを交換したり、寝る直前に交換する。夜は、吸収量の多いパットを使うなどが良いと思います。少し手間かもしれませんが、オムツ交換の際におしぼりで陰部を拭く事も効果があります。
対策② つなぎやロンパースで対応する
認知症があると、完全に不快感を無くしても、やはり触ってしまったり、破いてしまう方はいます。そのような時は、触れない環境を作るしか無いと思います。自分のいる施設では拘束に当たるため実施して居ませんが、自宅ではツナギを着用して過ごす方もいます。また、パジャマの下にロンパースを着用する方もいます。
さいごのまとめ
「トイレに頻回に通う」や「オムツを外してしまう」原因は様々だと思います。色々な方法を試して、その人にあったものを見つけましょう。しかし、排泄介助は身体的・精神的負担が増えやすいケアです。負担が大きくなったり、気持ち的に無理だと感じるようになったときは、入所や通所などのサービスの利用も検討しましょう。
最後に、この記事を読んでいただき、ありがとうございました。